化粧品やサプリなどの健康食品を中心に、リピート通販事業を行うEC事業者が非常に増えてきています。特にここ数年は、商材の広がりやサブスクリプションというキーワードと共に、レンタルに近い概念でアパレルや教育商材などを提供するEC事業者も多く見られるようになってきています。このようなリピート通販事業において、顧客の信頼を獲得し、収益性を高めるためには、物流業務の高度化と効率化は欠かせません。そこで今回は、リピート通販の物流の特徴を紐解き、アウトソースの効率をより高めるポイントについて考えていきます。

 

 

リピート通販とは

 

リピート通販とは、特定の商品を一定の周期で届けるECの一種で、古くはEC以前から行われていた頒布会もこれに当てはまります。頒布会は毎月違う季節ごとの商品などを届けるサービスで、定期購入(定期便)とは少し意味合いが異なりますが、近年拡大しているサブスクリプション方式のビジネスもこれに類似するものです。このリピート通販の中で、商品を1種類または少数に絞るものを「単品リピート通販」と呼ぶこともあります。単品リピート通販は化粧品や健康食品などが代表的で、日常的に使用し、わざわざ買いに行くのが煩わしい日常消耗品などの取り扱いも多く見られます。

このリピート通販市場は、アメリカでは2016年時点で3,000億円規模にまで成長しており、EC化率の上昇から、日本においても化粧品や医薬品を中心に成長市場として認識されています。

リピート通販のビジネスモデルは継続性・安定性が高く、ストック収入の見通しに応じて仕入れや在庫管理がしやすいことが特徴です。商品管理が容易で在庫リスクが低いため、結果的に利益率が高くなる点がビジネスモデルとして注目を浴び、成長市場となっている理由でもあります。

 

リピート通販における物流業務の特徴と実情

 

リピート通販はまず、定期的に同じ宛先に商品を届け続けるという大枠の仕組みがあります。そこでEC事業者は、たまごリピートやサブスクストアをはじめとしたリピート通販専用システムを導入する必要があります。定期購入の回数が取れるカートを導入しているかどうかが出発点となるのです。

次にポイントとなってくるのがリピート通販における物流業務です。通常のECと異なり、リピート通販の物流にはいくつかの特徴があります。まず、リピート通販には一定の継続回数ごとに離脱の崖があるため、離脱回数が多いタイミングで施策を強化するなど、施策の構築が継続率のカギとなります。そのため、チラシや請求書、メッセージカード、申込書、特典など、離脱を防ぐためのさまざまな同梱物が必要になってきます。同梱は出荷作業を行う倉庫が担うので、EC業者と倉庫間のデータ連携がしっかり取れている物流システムを選択しなければいけません。EC業者と倉庫間のデータ連携によって出荷指示が自動化され、荷主の処理を待たずに出荷業務へ入ることも可能となります。

また、リピート通販では同じ中身でもパッケージを変えて商品数を増やすことなどもあるため、資材の選定も重要なポイントとなってきます。たとえば段ボールの資材の印判を作成することで、月々・季節ごとに異なるパッケージで届けることも可能。たとえ中身が同じ商品でも、新しい商品が届いたというイメージを与え続けることができればリピーターも悪い気はしないでしょう。

昨今は、多種多様な決済方法にも対応する必要が出てきています。これまで主流だったクレカやコンビニ決済、代引き、後払い決済だけでなく、今はAmazon Payや楽天ペイなどの外部ID決済も求められています。これらを可能にする物流システムの導入は必須と言えるでしょう。

また、これはリピート通販に限ったことではありませんが、ビールなどのポスト投函できない商品を扱うケースもあります。物流会社によってはコンテナ便などを用いて大量の荷物を荷受けできるところもあるので、自社が扱う商品に応じてセレクトすると良いでしょう。少品種ではあるが、化粧品や医薬品、食料品においては、大量在庫の保管やロット管理といったことも求められてきます。

さらにリピート通販では、初回時と解約時に迅速な対応が求められることも忘れてはいけません。初回時の対応はのちのリピート率に大きく関わってくるし、解約時の印象によってはそのブランドの評判を損ないかねません。

このように、リピート通販の物流業務では上記を踏まえた検品オペレーションやシステムが必要となってきます。

 

リピート通販の物流アウトソースで直面する課題

 

物量が増えて自社で物流をまかないきれなくなった場合、物流倉庫への委託を検討することになるが、いざ物流をアウトソースしようとすると、これまでの運用フローに不具合が生じるケースも多々あります。そこで、実際に物流業務をアウトソースする際に、事業者が忘れがちな決めごとやよくあるクレーム、直面する課題などを紹介していきます。

まずAmazonや楽天では、顧客データの取り扱いやモール内での価格競争の観点から、モールでリピート通販システムを構築することが難しく、自社運営を前提としてカート等を選択する必要があります。そしてその際、カートに対応した物流システムやフルフィルメントサービス(商品保管だけでなく、受注・決済・ピッキング・配送などの一連の業務を一括で対応してくれる倉庫)を選ばなければなりません。では、具体的にどのように物流をアウトソースしていけば良いのでしょうか。

前述のとおり、物流業務をアウトソースする以前に、運営するECサイトには定期購入の回数が取れるカートの導入が前提となります。カートを導入したら、定期回数ごとの同梱物のパターン制御を決定しますが、それをどう物流業者に伝えるかが課題となってきます。同梱物の最大のメリットは、商品を購入した方が100%手にするという点。ECではどうしてもそれぞれの顧客に応じた接客が難しく、すべての顧客に同じ内容のチラシやサンプルを送付する企業も少なくありません。しかしそれでは購買意欲に結びつかないため、必ず顧客に応じた同梱物を考える必要があります。しかしEC事業者と倉庫会社のやり取りは、主に電話やメール、CSV、共有サーバーなどで行われており、日々何千件という案件に対応しなければいけない倉庫会社にとってはかなりの負担となります。そのため、物流代行業務だけでなく、出荷指示システムまで提供している物流サービスを選ぶと良いでしょう。

次に気にしたいのがロット制御管理です。ロット制御管理とは、商品の製造過程において同一条件で製造された製品の組のこと。異なるラインや原料で商品が製造されると、たとえ同じ商品でも性能に微妙な違いが発生する可能性があります。このため、ロット管理を行わずに商品を販売してしまうと、不具合が生じた時に即座に対応できず、クレームにつながりかねません。逆にきちんとロット管理をしていれば、その対象ロットのみを回収して最小限の損失で済ませることができるし、製造工程や原料を確認して原因を追求することも可能です。化粧品や健康食品を販売している場合は、ロットごとに保管場所を分けてくれる倉庫など、徹底した品質管理体制を持った業者に委託しましょう。

リピート通販の物流をアウトソースしようとすると、商品のパッケージやバージョン違いによる出荷・在庫制御という課題にも直面します。通常、物流倉庫では13桁の商品コードで在庫を管理していますが、自社で物流業務を行っていた際に商品コードを付与していないと不具合が生じます。そこで商品名から商品コードを算出できるように設定するなど、何かしらのカスタマイズが必要です。

さらに近年は、ポスト投函できない大型便も増加しているため、多用な発送方法への対応も考えなければなりません。また、後払い請求書の同梱指示など、決済方法に応じたシステム対応も考慮する必要があります。

リピート通販の物流アウトソースにおいては、これらの対応をシステム側が実装しているか、物流オペレーションとのやり取りがしっかりとできるかがポイントとなってきます。

 

リピート通販の物流アウトソースでより効率を上げるために考えるべきポイント

 

リピート通販の物流をアウトソースした場合、どのような点に気を付ければ効率が上がるのでしょうか。そこでまず考えられるのが、マスタ管理と入出荷のオペレーションの取り決めです。これを怠ると混乱を招いて効率が悪くなるため、これらを踏まえた倉庫側とのコミュニケーション、橋渡しのサポート体制が必須となってきます。

 

 -リピート系カートとの連携に優れたシステム

 

たまごリピートやサブスクストアをはじめとしたリピート系カートとの連携に優れたシステムかどうかという点も、効率化を図るポイントとなります。たとえば、はぴロジが提供する自動出荷のツール「ASIMS」を使えば、出荷業務において最も手間の掛かるショップデータのマッピングと変換を自動化し、適切な倉庫から出荷することができます。全倉庫の入出荷履歴や状態を網羅しているため、倉庫の動きが一目瞭然で、ショップの受注CSVデータも自動変換が可能です。

 

 -商材に合ったWMS(在庫管理システム)との連携

 

WMSとは、物流センター内の一連の作業(入荷・在庫・流通加工・帳票類の発行・出荷・棚卸など)を効率化し、一元的に管理する倉庫管理システムのこと。商材によってはロット管理や温度管理が必要になってくるため、商材に合ったWMSとの連携は効率アップには欠かせません。

 

 -商材に合った倉庫拠点の保有

 

物流アウトソースにおいては、商材に合ったさまざまな倉庫拠点の保有しているかどうかも重要になってきます。物流業者はパッケージングや物流加工、温度管理等も担当しているため、商材に合わせて複数の倉庫が使用できると効率良く配送が行えます。さらにそれらの倉庫がネットワーク化されていると、国内だけにとどまらず、海外への配送も視野に入れた越境ECの実現も可能になってきます。

 

 -初期投資、導入スピード

 

通常、物流をアウトソースする際には、ほとんどの場合はカスタマイズ費用がかかります。効率を上げるためには、どこまで初期投資をかけるかを考える必要があるでしょう。ただし、はぴロジのようにカスタマイズをしなくても対応範囲が広いサービスもあるので、コスト面での負荷を軽減できるサービスも検討してみましょう。導入スピードも効率化には大きく関わってくるので、急を要する場合は事前に確認しておきたいところです。

 

 -同梱施策に合わせた同梱物の制御

 

同梱施策に合わせた同梱物の制御も効率を上げるポイントと言えるでしょう。同梱物をセットするのは倉庫の仕事ですが、EC事業者から送られてくる同梱物に関する仕様書がバラバラだと混乱を招きます。たとえば、別のシステムから出力したデータや手書きで作ったCSV、Excel情報とレイアウトの違うデータがメールで送られてきたら、受け取る物流チーム(倉庫側)はExcelやマクロを使ってデータの加工業務をすることになります。備考欄に要望が入っていた時などはEC事業者にその都度確認する必要があり、互いに時間を取られてしまいます。そこで効率を上げるには、バックヤード業務の自動化がよりされている物流業者を選択するのが賢明です。ちなみにはぴロジでは、複雑な販促物の同梱でも受注データから自動的にコントロールできるので、思いどおりに制御することができます。

 

 -そのほか

 

商品開発の段階から、現在の商品と同じ形態で商品が出来上がるのかという確認も必要となります。たとえば現状は化粧品販売だが、今後は医薬品開発へとビジネスを切り替えるのであれば、現状の倉庫では取り扱えない可能性もあります。そこで、物流をアウトソース化する前に自身のビジネスについて改めて考えてみましょう。

 

すでに物流をアウトソースしている事業者は、これらの条件が満たされていない場合はアウトソース先を切り替えた方が良いのではないでしょうか。

 

リピート通販のアウトソース効率を高めるために

 

ECがそれほど浸透していなかったひと昔前、物流は大型便中心で問題はそれほどありませんでしたが、現在は個人宅に小さな荷物を送る個配になってしまったため、物流においてはさまざまな問題が生じています。その最たるものが、商品を梱包、発送する倉庫の現場です。受注データや倉庫への出荷指示など、日々の標準的な業務を自動化している物流業者も多いので、物流をアウトソースする際には使い勝手の良いサービスを選びましょう。